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iDeCoと小規模企業共済、個人事業主はどちらを選ぶべきか

どちらも掛金全額控除で節税効果はほぼ同じ。決定的な違いは「いつ・どう受け取れるか」。両方併用している個人事業主の業務委託店長が、NISAとの違い・2026年からの10年ルール・併用時の落とし穴を整理します。

前の記事で「iDeCoも併用している」と書いた

小規模企業共済の記事で、さらっとこう書きました。

iDeCoも併用しています

それだけで終わりにしたのは、この2つの話を一緒にすると長くなりすぎるから。 でも「じゃあiDeCoって何が違うの?」という疑問は当然出てきます。

この記事ではその答えを整理します。

まずiDeCoとは何か

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を出して運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。

小規模企業共済と同じく、掛金が全額所得控除になります。節税という意味では入口は同じ。

大きな違いは「運用する」という点。積み立てたお金を自分で投資信託などで運用するため、将来の受け取り額は運用成績によって変わります。

個人事業主の掛金上限は月6.8万円(年間81.6万円)。いつ始めたかは正直覚えていませんが、最初は少額で、気づいたら上限近くまで増やしていました。

2つの制度、何が違うのか

iDeCo 小規模企業共済
掛金上限(個人事業主) 月6.8万円 月7万円
所得控除 全額 全額
運用 自分で選ぶ(投資信託等) なし(固定利率)
受取開始 原則60歳以降 廃業・退職時
途中解約 原則60歳まで引き出せない 任意解約は20年未満で元本割れ
廃業時 60歳まで待つ必要あり すぐ受け取れる(元本割れなし+運用分上乗せ)
利回り 運用次第(上振れあり) 低め(固定)

節税効果はほぼ同じ。決定的に違うのは「いつ・どう受け取れるか」と「運用するかしないか」の2点です。

どちらが向いているか

これは「どちらが上か」ではなく、自分の状況で決まります。

iDeCoが向いている人

  • 60歳まで現役で働く想定がある
  • 投資・運用に抵抗がない
  • 老後資産を増やすことを優先したい
  • 飲食業以外でも事業を続ける考えがある

小規模企業共済が向いている人

  • 廃業・引退のタイミングが読めない(早い可能性がある)
  • 運用リスクを取りたくない
  • 急な資金需要に備えたい(貸付制度あり)
  • 退職金として手元に戻る感覚が欲しい

僕の場合は、飲食業からの引退時期を自分で決められる状態にしておきたいので、小規模企業共済の優先度が高い。iDeCoは運用益を狙いながら並走させている、という位置づけです。

そもそも「NISAでもよくない?」問題

iDeCoの話をすると、必ずこの疑問が出ます。運用するならNISAでもよくない?

決定的な違いはひとつ。NISAには掛金の所得控除がありません。

NISAの節税は「運用益が非課税」だけ。iDeCoは「掛金全額控除+運用益非課税」の二段構えです。税金を先に払ってから積むNISAと、税金を減らしながら積むiDeCo。個人事業主にとって、今年の税金が確実に減る所得控除の効き目は大きい。

その代わり、流動性はNISAの圧勝です。いつでも引き出せる。60歳まで拘束されるiDeCoとは自由度がまるで違います。

僕がiDeCoを選んだのは旧NISAの時代でした。当時は非課税枠が小さく、掛金全額控除のあるiDeCoのほうが有利だと判断した。今の新NISA(年360万円・恒久化)なら、正直かなり迷うと思います。流動性を重視するなら、NISAを先に埋める選択も全然ありです。

実は僕も今は新NISAを並走させています。そうなると次に出てくるのが、「iDeCoの掛金を減らしてNISAに回すか」という選択肢です。

iDeCoの掛金は年1回変更できて、月5,000円まで下げられます。

  • 維持する理由:掛金全額控除は今年の税金に確実に効く。僕の税率帯なら年20万円台の節税
  • 減らす理由:10年ルールで出口の設計が難しくなった。iDeCoに積むほど退職金かぶりは大きくなる。NISAなら運用益非課税のうえ、いつでも引き出せる

今はまだ、両方で進める余力があります。でも、この先何があるかは分かりません。

だから結論を急がない。何かあったときに、すぐ変更できる状態にしておく。 掛金の変更も、受け取り方の選択も、柔軟に動ける余地を残しておく。それが今の僕の本音です。

両方やる場合の注意点:受け取り時の退職所得控除

両方を併用する場合、受け取り時に注意が必要です。

iDeCoと小規模企業共済は、どちらも受け取り時に退職所得控除が使えます。ただし受け取り方を間違えると控除枠を食い合う形になり、税負担が増える可能性があります。

正直に言うと、僕はここを想定していませんでした。まさかの退職金かぶりです。

しかも制度変更が追い打ちをかけます。2026年1月から、いわゆる「5年ルール」が「10年ルール」に変わりました。 iDeCoの一時金を先に受け取ってから退職金(小規模企業共済の共済金もここに入ります)を受け取る場合、控除を満額使うには実質10年以上の間隔が必要になったのです。

「ずらせばOK」が、そう単純ではなくなった。というわけで僕は今、受け取りの順番と時期を考え直して最適解を検討しているところです。

このあたりは制度がまだ動く可能性もあるので、税理士と相談しながら設計するのが現実的です。

結局どう選ぶか

iDeCoと小規模企業共済、どちらが正解かは引退・廃業のタイミングをどう想定するかで変わります。

  • 長く働き続けるなら → iDeCo優先
  • 早めに区切りをつける可能性があるなら → 小規模企業共済優先
  • 余裕があれば → 両方併用

僕は60歳で飲食店の最前線を退くことを目標にしています。そこから逆算すれば、受け取りまでの時間割は描ける。退職金かぶりの問題はあっても、迷って止まるより両方積んだほうがいい。だから僕は、両方で突き進むことにしました。

節税は「制度を知っているかどうか」で手取りが数十万円単位で変わります。まず自分がどちらに当てはまるか、照らし合わせてみてください。

小規模企業共済について詳しくはこちら 中小機構 公式サイト(小規模企業共済)

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