12時になっても、バイトが来ない
ランチのピーク前。12時になっても、シフトに入っているはずのバイトが来ません。
他の子に聞くと、「LINE来てましたよ」と。 確認すると、出勤30分前に「体調不良で起きるのが遅くなったので休みます」。
まだ研修中の子だったので、営業への影響は正直そこまでありません。 でも本音を言えば、これはバイトテロと変わらない。そう思ってしまいました。
派手に炎上する動画だけがバイトテロじゃない。シフトという約束を直前に、しかもLINE一本で反故にされる。店が受けるダメージの種類は同じです。
とはいえ、飲食で30年以上、店長として20年。当日欠勤がゼロだった年は一度もありません。
だから大事なのは、怒るかどうかじゃない。そのあとの10分で何をするかです。
まず、責めずに返す
腹は立ちます。でも返信で説教はしません。
理由はひとつで、責めると次から連絡そのものが来なくなるから。
当日欠勤より10倍きついのは、無断欠勤です。連絡もなく、開店時間になっても現れない。あの状態を作らないためだけでも、返信は短く事務的にします。
- 「了解。お大事に」
- 症状の深追いはしない
- 「次いつ入れる?」も、その場では聞かない
聞きたいことは山ほどありますが、全部あとでです。今は店を開ける方が先。
欠勤の連絡は、本人から全体LINEに流させる
うちのルールは、少し変わっているかもしれません。
休む本人が、全体LINEに「今日休みます」と流す。店長経由ではなく、本人からです。
代わりを探させるためではありません。狙いは共有です。
- 誰が休むのか
- なぜ休むのか
- 今日はその人数で回ることになる
これを全員が同時に知っている状態にしておく。あとから「聞いてない」が出ないだけでも、その日の空気はまったく違います。休む側にとっても、店長ひとりに謝るより、見ている人が多い分だけ重みが残ります。
そのうえで、入れそうな子には僕が個別に連絡します。全体LINEに「誰か入れませんか」と投げるのはやりません。あれは誰も自分事にならないので、既読が増えるだけです。
正直に言えば、個別に頼んでも成功率は高くない。ダメ元です。それでも順番だけは決めてあります。
- 本人が全体LINEに流す(共有)
- 僕が個別に声をかける(近い順、生活リズムが合う順に2〜3人)
- 捕まらなければ、その人数で回る形に切り替える
3番も立派な対応です。仕込みを削る、片付けを翌日に回す、レジは自分が張り付く。穴を人で埋めることだけが正解じゃない。
本当に怖いのは「できる子への集中」
1日の欠勤なら、どうにでもなります。怖いのはその先です。
- 前回の募集は不発。今もあと2〜3人足りていない
- 夏休みのシフトは、結局仕事のできる数人に集中する
- 辞められたら、その穴を埋めるのは店長の体
急な穴が空くたび、頼めるのは決まった数人。断らない子、動ける子。気づけばシフトがその数人に寄っている。そして起きるのはこれです。
- できる子が疲れる
- できる子が辞める
- 育っていない子だけが残る
当日欠勤1回のダメージより、この構造の方がよほど店を殺します。だから頼った子にはその日のうちに一言返して、次のシフトで休ませる。そこまでが穴埋めです。
結局、差がつくのは「素直さ」
今年の1月に採用した2人がいます。正直、どちらも最初は「見込みがないかなぁ」と諦めかけていました。
半年経って、はっきり差が出ました。
ひとりは、飲み込みは良くないけれど素直。根気よく教えていたら、ようやく芽が出て動きが良くなってきました。 もうひとりは、注意するとふて腐れて言い訳ばかり。こうなると、こちらも教える気になれません。
採用で一番見るべきは、器用さでも経験でもなく素直さだと思っています。 素直な子は時間がかかっても伸びる。そうでない子は、教える側の気力を先に削っていきます。
当日欠勤にイラッとしながら、頭の中では「この子をどう戦力にするか」を考えている。それが人手不足の店の現実です。
欠勤を減らすためにやっていること
起きたあとの話ばかりでは進まないので、減らす側も書いておきます。
- シフトは早く確定させる。直前に出すほど、直前に崩れる
- 休みたい日は事前に言えば通すと最初に伝える。言いにくい空気が当日欠勤を作る
- 欠勤した子とは、次に会ったときに落ち着いて話す。当日に詰めない
- 今いる素直な子のレベルを上げて、時給アップで報いる
- そもそも1人抜けても回る配置を作っておく
最後の項目が本丸です。人に依存した店は、人が1人休んだだけで崩れる。仕組みで回る部分を増やしておけば、当日欠勤はただの「今日ちょっと大変な日」で済みます。
シフトを早く出しても、話をしても、当日欠勤はまた来ます。相手は人間なので、ゼロにはできません。だったらこちらは、崩れない形を用意しておくだけです。
イラッとした感情はこの記事に置いて、明日はまた淡々とシフトを組みます。