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会計ソフトはfreeeを使っています。
ただ、自分で選んだ記憶がありません。業務委託店長になったとき、本部の経理の方が「これでいいんじゃない」という感じで勧めてくれて、そのまま使い始めた。比較検討をした覚えは、正直ないです。
それで今日まで、なんとか確定申告まで来ています。
「ちょっと癖があるんだよね」
一度、分からないところをサポートしてもらっているときに、本部の方がぽつりと言ったことがあります。
「freeeはちょっと癖があるんだよね」
そのときは意味が分かりませんでした。あとで調べて、ようやく腑に落ちた。
freeeは、仕訳ではなく「取引」という独自の考え方で入力していく設計なんだそうです。ほとんどの会計ソフトが簿記の教科書どおりに借方・貸方を並べるところを、freeeは「何にいくら払ったか」から入らせる。
つまり、簿記を勉強した人ほど、頭の中で変換する作業が一枚増える。癖がある、というのはそういうことだったのかと思いました。
言ったのが経理の方だった、というのが答えそのものです。
分からないから、困っていない
で、僕はそもそも会計が分かりません。
だから違和感なく使えています。借方も貸方も知らないので、変換のしようがない。分からないから、逆に困っていない。
これは強がりではなく、たぶん本当にそうです。簿記から入っていたら、僕もあの独自の考え方に苛立っていたかもしれない。
でも、人と話すときに困る
困る場面はちゃんとあります。サポートしてもらうときです。
いちばん多いのが税金の仕訳です。事業をやっていると、いろんな税金や保険料の支払いが出てきます。
- 消費税の前納分
- 個人事業税
- 所得税の前納分
- 労働保険料
払ったことは分かる。でも、これが経費になるのか、ならないのかが毎年あやふやになる。
指示はもらっているんです。ただ「そこは事業主貸で」と言われても、その言葉が僕の画面のどこにも出てこないので、何をどう触ればいいのかが結びつかない。
ソフトが専門用語を隠してくれるから使える。でも、専門用語で話す人と会話するときは、隠れている分だけ通じない。
これはfreeeが悪いというより、そういう設計のソフトを選ぶとこうなる、という話だと思っています。
調べたので書いておきます
せっかくなので、さっきの4つを今回ちゃんと調べました。
| 払ったもの | 経費になるか |
|---|---|
| 個人事業税 | なる(租税公課) |
| 所得税の前納分(予定納税) | ならない(事業主貸) |
| 消費税の前納分(中間納付) | 経理方式による。税込経理ならなる(租税公課) |
| 労働保険料(年度更新) | 労災保険料・雇用保険の事業主負担分・一般拠出金はなる(法定福利費)。給与から天引きした従業員負担分はならない(預り金の精算) |
並べて、少し安心しました。
個人事業税は経費なのに、所得税は経費にならない。 消費税は自分がどっちの経理方式かで変わる。労働保険にいたっては、申告書1枚で払っているのに、その中身が経費になる部分とならない部分に分かれている。
従業員負担分が経費にならないのは、毎月の給与から天引きして預かっていたお金だからだそうです。給与を出した時点でもう経費になっているので、納めるときにまた経費にすると二重になる。
……これ、分からなくて当然じゃないですか。
で、経費にならないものを入れるときに出てくるのが「事業主貸」
主語を「事業」だと思うと分かりやすいそうです。
- 事業主貸 … 事業が事業主にお金を貸す。事業用口座から生活費を引き出したときや、経費にならない税金を払ったとき
- 事業主借 … 事業が事業主からお金を借りる。自分の財布で事業の支払いをしたとき
つまり、経費にならない税金を払うたびに事業主貸が出てくる。だから毎回この言葉に出くわしていたのかと、今回ようやくつながりました。
言葉の意味としては単純でした。ただ、どれが経費になるかの判断のほうは、たぶん来年もまた迷います。そこは結局、本部の方に聞くことになると思います。
そもそも、6割はソフトを使っていない
比較する前に、ひとつ意外なデータがありました。
MM総研の2026年3月の調査によると、確定申告をした個人事業主のうち、会計ソフトを使っているのは40.9%。残りの約6割は、手書きやExcel、税理士まかせ、あるいは国税庁のサイトを直接叩いています。
ソフトを使っている人の中でのシェアはこうでした。
| シェア | |
|---|---|
| 弥生 | 54.0% |
| freee | 25.1% |
| マネーフォワード | 15.7% |
個人事業主だと弥生が過半数です。freeeが首位なのは法人向けのほう。本部の経理の方が勧めてくれたのは、たぶん法人側の常識で話してくれていたんだと思います。
料金を並べてみる
年額です。表記は3社とも税抜に揃えました。
調べ直して、初めて気づいたことがあります。消費税の申告が必要になると、freeeとマネーフォワードは上のプランに上がる必要がある。でも弥生は上がらない。
| 消費税申告なし | 消費税申告あり | |
|---|---|---|
| freee会計 | スターター 11,760円 | スタンダード 23,760円 |
| マネーフォワード | パーソナルミニ 10,800円 | パーソナル 15,360円 |
| やよいの青色申告 オンライン | セルフ 11,800円 | セルフ 11,800円(据え置き) |
弥生は3プランありますが、機能はすべて同じで、違うのはサポートの範囲だけです。公式のFAQにもはっきり書いてありました。
消費税申告、所得税の確定申告、インボイス対応、e-Taxによる申告など、すべての機能が初年度0円です。
freeeは課税事業者になった瞬間に、料金がほぼ倍になります。年商1,000万円を超えるタイミングでこれが来る。知らないと踏みます。
「初年度無償」のからくり
弥生はセルフとベーシックが初年度無償です。トータルは初年度半額の19,800円。2027年3月15日までの申し込み分が対象でした。
ただし条件があります。自動更新の決済方法として、口座振替かクレジットカードの登録が必要です。1事業者につき1回まで。
つまり2年目から普通に請求が来ます。「1年タダ」で選ぶと、2年目に思っていたのと違う金額が出てくる。
キャンペーンの期限と次年度の金額は変わるので、確認するなら公式ページが早いです。
そして値上げは続いています
弥生は2026年1月1日に価格改定をしました。公式のお知らせに載っていた実数です。
| 改定前 | 改定後 | |
|---|---|---|
| セルフ | 10,300円 | 11,800円 |
| ベーシック | 17,250円 | 22,800円 |
| トータル | 30,000円 | 39,600円 |
ベーシックプランは32%増です。1回の改定でこれだけ動く。
この手の金額は半年で変わるので、必ず公式サイトで確認してください。 この記事の数字も、読んでいる時点では古くなっている可能性があります。
高いか安いかは、僕には評価できません。ただ、消費税の申告が必要かどうかで差が一気に開くのは分かりました。
それでも、乗り換えの手間と、本部に聞ける環境を手放すことを考えると、いまは動く気になれない。それが正直なところです。
ソフトの外側にも選択肢がある
調べていて一番の収穫はこれでした。知り合いに青色申告会に入っている人がいると聞いたことがあって、今回ちゃんと中身を見ました。
税務署の管轄ごとにある団体で、年会費は数千円から1万円程度。しかも会費は全額経費に落ちます。
ただし勘違いしていました。記帳代行も申告書の作成代行もしてくれません。 やってくれるのは記帳指導・税務相談・決算期の書類チェックまで。手を動かすのは自分です。税務調査の立会いも対象外。
つまり青色申告会は「税理士の廉価版」ではなく、「独学の伴走版」。年1万円で先生が付くけれど、宿題は自分でやる。だから会計ソフトと併用が前提になります。
税理士に頼むと年10万円以上。記帳から申告まで任せられて、税務調査にも付いてもらえる。ここは金額と規模の話です。
選び方の軸は「誰と話すか」だった
結局、僕が今回たどり着いた結論はこれです。
一人で完結させるなら、用語を隠してくれるfreeeは楽。 誰かに相談しながらやるなら、その人が使っている言葉に近いソフトのほうがいい。
税理士や経理経験者に聞く前提なら、仕訳ベースの弥生やマネーフォワードのほうが会話が成立しやすい。青色申告会に通うつもりなら、なおさらです。
自動化でカンタンに書類作成 マネーフォワード クラウド確定申告
機能でも値段でもなく、誰と話すか。少なくとも僕の場合は、そこが分岐点でした。
それで、乗り換えるのか
しません。
本部の方に聞ける環境がある以上、僕にとっての正解は「freeeを使い続けて、自分の会計の知識のほうを上げる」だと思っています。ソフトを替えても、事業主借と事業主貸が分からないままなら何も解決しない。
小規模企業共済もiDeCoもふるさと納税も、結局は確定申告の画面で効いてきます。制度だけ覚えて、入力する場所を分かっていないというのが、今の自分の状態でした。
まずは事業主借と事業主貸から。次の申告までに、人に説明できるようにします。